トレンディ・バングラディッシュ・カット(06/1/21)


      
はいこんにちはー
この度、バングラディッシュにいってきましたー。
なぜバングラディッシュか?
それはずばり、行ったことがなかったからです。
バングラは地球の歩き方も出てなくて、全然情報がありません。
しかたがないのでネットで調べたのですが、情報が少ない…。
そして特に見るべき観光地もほとんどないようです。
そんなこんなで、町の地図もわからず、金銭レートも知らず
安宿もわからず、言葉も全然わからない
中で出発しました。

シンガポール経由で行ったのですが、シンガポールからバングラに
向かう飛行機の待合室で日本人の女性に話しかけられました。
この方はメルボルンの大学に留学中で、そこの調査でバングラに
向かう途中だったそうです。そしてその方がなんと日本語の
ガイドブックを持っていたのです。ないと思っていたのですが
実は旅行人がバングラディッシュのガイドブックを出してたのです。

といったことで、とりあえず安宿で一番最初に紹介されてたところを
目盛って、地図を目が充血するほどガッツリ見て頭に叩き込みました。

そんなこんなで無事首都ダッカに夜も遅くに到着。そして安宿へ直行。
この空港からホテルへのタクシーでもいろいろあったのですがそれは別に書きます
1泊250円くらいの宿に泊まることができました。

そして翌朝街へ出ました。しかしまったく見るところがありません。
初日はそれでもグルグルと街を徘徊していました。
バングラ人はとても人懐っこくて歩いているだけで

「your country?(どこの国から?)」

とか

「ジャパン! ハロー(よー日本人) 」

などと声をかけてきます。全く旅行者をだまそうみたいな雰囲気がありません。
かなり親日的な国民で街歩きがとても楽しい感じでした。
しかし、2日目になると全くもって行くところがなくなってきました。
これはブルネイのときと似ています。
そんなわけで行くところもなくなったので床屋へいってみました。

その床屋は旧市街の中にあった蛸壺のような床屋でした。
床屋の外観
値段を聞くと30tk(タカ)といってます。日本円だと48円くらいです。
安い…。早速切ってもらうことにしました!!

もちろん注文はブルネイのときと同じように
「トレンディ バングラディッシュ カット」
です。
このように注文すると「スターのようにしてほしいのか!?」と聞いてくるのですが
「トレンディバングラディッシュカット プリーズ」
とだけ連呼しておきました。

するとカリスマ美容師はすべてを理解したかのように切り出しました。
ちなみに切り出す直前はこんな髪型でした。
散髪前
さて後頭部からチョキチョキと勢いよく切り出しました。
かなり真剣に後頭部をきっています。
さらには謎にどこの誰だかわからないひげを生やした屈強なおっさん
店にはいってきて、この美容師にココはこう切れなどの指示を出してきます。
あきらかに店の人じゃないのに、この理容師さん、どっかからきた
おっさんの指示に従ってきり進めていきます。
おっさんが指示
これまた結構丁寧にきっていき、ちょっとした長さとかにも拘ったりしています。
剃った後にはベビーパウダーをかけてくれたりとなかなかやります。

後ろだけで20分くらい切ったり、剃ったりしてました。
そして後ろの仕上がりに満足したのか、次は横に取り掛かりました。

するとこの床屋さん、なんの迷いもなく、もみ上げをそり落としました!!
おぉー…。
やばいーこれは絶対変になるーと思ったのですが
片方だけもみ上げ残してもより変になるだけなので
なんの抵抗もなくもう片方のもみ上げも彼に差し出しました。

すると彼も嬉しそうにもう片方のもみ上げを綺麗にそり落としていきます。
さらには、横髪を耳にかからないように切っていくのですが
なぜか一部分だけみみにかかるように切り残していきました…。

そして前髪。これはまた適当にはさみを真横にして
スパーンと一刀両断にしてくれました…。
そこから、こめかみの辺りの髪を60度の傾斜で一直線に
切り上げていきます。

そして、カット終了ー。
かかった時間は、後頭部に20分、横髪に5分、前髪に2分…。

その後、おっさんは、なにもつけずに髪のセットをはじめました。
思いっきり握って、髪をたちあげていきます。
たんに、おっさんの手汗と手油でのセッティングです…。
そしておっさんは「フィニッシュ!!」と嬉しそうに宣言しました。

それがこの髪型です。
完成

おぉー!!!!なんじゃこりゃー。
うなりをあげて立ち上がったのは片方だけ…。
一直線にそり落とされたもみあげ。
ぼっこりと盛り上がってる後ろ髪。

つうか、こんなバングラディッシュ人全く見かけません…。
トレンディにもほどがあります…。

こうして知らぬ間におっさんだらけになっていた
床屋を後にしたのでした。

床屋から安宿までは徒歩30分くらいです。
その道すがら、髪きり前までは
「ジャパーン」と街のバングラ人に言われてたのに
髪を切った後には
「チャイナ?」とか「ニーハオ」
と中国人に間違えられて声をかけられまくり。
ひとりも「ジャパーン」と言ってくれません。
さらには、ひとりのバングラ人がかけよってきて
韓国語で話しかけてきて、韓国語の名刺を差し出してきました。
どうやら韓国で働いていたことがあると言っています。
完全に僕のことを韓国人だと思って話しかけてきたようです。

いやはや無国籍な髪型です。

そしてホテルに戻ってきたころには
おやじの手汗と手油によるセッティングもすべてほぐれてしまい
鏡でみるとそこには、
まことちゃんばりに、前髪がそろってるわりに
第二次世界大戦の時のドイツ軍のヘルメットのように横髪が膨らみ
側頭部が綺麗に一直線になっている
変な髪前
変な髪横
何にも例えようのない、トレンディバングラディッシュカットになってたのでした。

どこがスターなのでしょうか?
どこがトレンディなのでしょうか?


さらに国籍間違いは続き
帰りの経由地シンガポールの空港では
東京行きの飛行機に乗るのに、係官が見た目で判断したのか
香港行きの飛行機に案内してきました。

極めつけは成田について、入国手続きをしようとしたときです。
日本人と書かれたレーンに並んでいたときに
入国審査官が外国の人はあっちですよと言わんばかりに
「日本人ですか?」
と尋問してきたのです…
一日何千人も見ているプロにも疑問を持たせるこの強力な髪型です。


こうしてバングラ人にもシンガポール人にも日本人にすら
間違えられ続けたトレンディバングラディッシュカットなのでした