デロリアン・タクシー(06/2/22)


       はいこんにちはー
バングラディッシュについたのは夜の10時くらい。
初めて訪れるくせに、地図なし、言葉知らず…ってことで
タクシーに乗ってホテルまで直行することにしました。

飛行場で出会ったメルボルンからの研究生には空港まで
お迎えが来てるとのことだったので、そのお迎えの現地の人に頼んで
タクシーに値段交渉と行き先の伝達をしてもらいました。

現地人同士のコミュニケーションなのでこれで安心です。
ちゃんと僕の行きたい安宿の名前と住所は伝わったはずです。

ここで僕は意気揚々と留学生とその迎えに来た人に別れを告げて
空港を後にしました!!

さて出発して、50mしかたっていない時に
暗闇から一人のバングラ人がやってきました。
すると何故かタクシーは止まりました。

そしてその謎のバングラ人は運転手と何かを話しています。
そして次の瞬間!!

運転手が降りて、謎のバングラ人が運転席に座りました。
そして運転手は助手席に乗りなおしました。

うーいったいどんな意味があるんだろう。

と思っていたのですが、車はスムーズに出発!

まっいっかと思ったのですが
300mくらい行ったところで現運転手と助手席の元運転手が
急に口論になりました!かなり喧嘩しています!
そして次の瞬間!!

元運転手は怒って、車を降りてどっかへ行ってしまいました!!

おぉー…行き先を理解してて、料金も知ってる人がいってしまったー…
つうかこの展開は怪しすぎます!!
インドだったらこのまま暗闇につれてかれて
人がわらわらと出てきて、お金の増額とか要求された
なんて話をよく聞いていました。

なので、僕は相当身構えてしまいました。
次の瞬間、現運転手は何事もなかったように走り出しました。
緊張感が高まります。さらにはある疑問が沸きます。

あれっ?この謎のバングラ人運転手、僕の行き先知ってるのかな?
さっきの会話で話に出てたのか!?などと淡い期待を持ったのですが
10分ほどいったところで、信号待ちをした時に

「で、どこへ行くんだっけ?」

と案の定の質問が・・・。がっくし_| ̄|○

そこで僕は必死にメモッた安宿の名前と住所を見せるのですが
そのメモをみた運ちゃんはといえば
無反応…。

なんで!?

仕方なく、ホテルアルラザーックとかホテルアルラジャーックとか
伝えていたら理解できたようです!

車は一路ホテルへ向けて走りだしました。
しかし!!しばらく行くと運ちゃんは、道行く人とかに
道を聞きにいってしまいました。

どうやら、暗闇行きはなさそうです。
でも、ホテルへのスムーズな到着もなさそうです・・・。

さらには、何度も車を止めて助手席の窓あけて
道行く人に聞いています。

かなり不安。いったい何時着くのだろう。
つうか目的地に本当に着くのでしょうか?

さて道を教えてもらって、運ちゃんが走りだしたのですが
助手席の窓が開いててビュービュー風が入ってくるので
それを気にしてくれた運転手は、なんと
走行しながら、助手席の窓を手動で閉め始めました。

自動じゃないので、ドアについてる取っ手をグルグル回すのですが
運転席からだと寝転ばないと届かないくらいの距離です・・・。

といったわけで、運ちゃんはアクセルを踏みつつ、
助手席の窓を寝転びながら閉めてるのでまったく前見えてません…。
かなり危険です。スリル感はサルティンバンコクラスです!!
これは暗闇で囲まれる恐怖体験と同等クラスのアドベンチャー体験です・・・。

さてさて、道を聞きまくって、その度に
「分かった。もうすぐ着く」
とか言ってるのですが(想像)、全然つく気配なく、また車を止めて聞きなおしています。

しまいにゃ、道行く人が減ってきたので、見つけた通行人に道を聞くために
逆車線へ侵入し、猛スピードで逆走しだしました!!
おぉーキ・ケ・ン。
さらにはその人が教えてくれた方向へ向かうために
Uターンすればよいものを、なぜかバックのまま走り出しました!
すると後ろにリキシャがいたのに気が付かずリキシャを勢いよく跳ねました!

バックでスピードがそんなに出てなかったとは言え、リキシャは大きく傾いてます。
幸いリキシャはバランスを取り戻して横転はしていませんでしたが
確実にどこかは大きく凹んだと思われます。
それにも関わらず、運ちゃんはかまわず走り続けます!

なんて折角の努力にも関わらず、ホテルには着きそうな気配はゼロ・・・。

そんな状況の中、運ちゃんは素晴らしいアイディアを思いつきました!、
ホテルに電話して場所を聞こう!
というものです。って当たり前のことですが、これがなかなか思いつかなかったんです。

僕のメモにはホテル名と住所と電話番号がメモってありました。
(ちなみに住所やホテル名を見せてているのですが、
運ちゃんは全然理解してくれませんでした)
そこで運ちゃんが携帯電話を持っていたのでそれを借りてホテルへ電話をしました!

これで安心です!
ホテルの人なら運ちゃんへ上手いこと道案内してくれることでしょう。

と思ったのですが、しかし!!

僕がメモをミスったのか、どうなのか分かりませんが電話がつながりません・・・
何度も確認してかけなおしても全く繋がる気配がありません・・・。

これにはさすがに運転手も落胆していました。
いやーこれは長期戦を覚悟しないといけないかもしれません。
幸い、値段は事前に交渉してあったのでいくら走ろうが時間をかけようが
上がることはないので大丈夫です。

ただし!このままではいくら走っても走っても着くとは思えません。
さらには、先ほど読んだガイドブックでは、
バングラディッシュの法律かなんかで安宿には夜12時を過ぎてから
お客を泊めてはいけない
というものがあるらしいのです。

これは困りました、もう11時を回ってます。
まーネタ的には、このまま運ちゃんと一晩車でダッカ中走ったってのも
おもろいかなー、つうかそう思わないとやってられないなーと思いだしました。

しかし、気が付けば、この運ちゃんさっきから同じ道ばっかり走ってます。
つうことはここら近辺ってことなんでしょうか?
同じ道を3回ほど往復してんだよなーなんて思いながら
ぼーっと窓の外をみたその瞬間!!
僕の泊まりたいホテルの看板がデカデカと輝いてるではないですか!!
おぉーここだ!!と思ったのですが、
運ちゃんは全く気付かず爆走して通り過ぎていきます!
つうかこの看板に気が付かないのは、敢えて無視して走ってるとしか思えません!!

そして、軽く50mほど行き過ぎました。
が、運ちゃんは止まる気配がありません。
なので思わず僕は運ちゃんの肩を鷲掴みしました!
そして「あそこがホテルだ!Uターンして戻って!」
みたいに言ったのですが、運ちゃんはUターンしてくれません。
つうか得意のバック走で車線を50m逆走してホテルの前に車を横付けしました!!

いやはや。バックトゥザフューチャーのデロリアンですら
こんな過激な運転をしないでしょう・・・。

なんて感じで、ホテルに着いた頃には心身ともに相当疲れ果ててました・・・。

しかし、あの時僕がたまたまホテルの看板に気付いてなかったらあの後も
ずっとホテルの前を何度も爆走して通りすぎてたんだろうなー
と思うとぞっとします。

といったわけで、なんだかとっても期待の持てる
バングラ初日の夜の出来事なのでした。

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