カンボのタクシー


      
12/31朝

 僕はお土産売りの子供達に囲まれてたたずんでしまいました。

「なんで連日こうもトラブルが続くのだろう・・・」

なにもトラブルを狙いにいってるわけではなく、むしろ今回は
両親も連れての旅行だったので、トラブルが起きない様な旅を
していたつもりなのに・・・

この日僕がたたずんでいた理由はこう↓です。

アンコール遺跡での移動はバイタクか車のどちらかが普通です。
たまに気合の入った人が自転車で移動してますが、あれは疲れ
るし、移動にかかる時間が長すぎて大変です。

一人又は二人ならばバイタクに2人乗り3人乗りもできるで
ますが、今回は4−5名いたので車をチャーターしました。
こんだけ人数いればバイタクと値段は一緒です。

さてさて今日のドライバーは英語が話せるようです。
朝、遺跡に日の出を見に行く時はまだ、真っ暗な5時半くらい
に街を出なくては行けません。そして僕等を乗せた運ちゃんは
真っ暗な中を走り出しました。

今朝の日の出スポットは、プノンバケンというアンコールワット
が臨めるちょっとした山の上の遺跡でした。

そしてその遺跡に行く途中に、運ちゃんが

「車一台1日25$+朝日を見るのに一人3$の追加料金を払え」

と言ってきたのです。普通は車1日で20$くらいですが
時期が時期なのでちょいと高めなのは仕方ありません。

しかし朝日を見るのに一人3$は許せません。そんなぼったくりは
許せなかったので、しっかりとそんなの払わないと言いました。

しかも前日に1日25$とちゃんと合意して決めていたのですから。

そんなわけで断ると途端に運ちゃんは車の速度を落としました・・・
明らかに、不貞腐れてます。

そんなのは知ったこっちゃないのでプノンバケンまでいって
しっかりと朝日をみました。そしてその後に、アンコールワットに
行きました。アンコールワットは朝日の出た後がすいていて
とっても良い感じなのです。

ちなみにアンコールワットの朝日はこんな感じです。


しかしアンコールワットを見て帰ってきたら、
運ちゃんが逃亡していたのです・・・

金を払う方が逃亡したのではなく
金を貰う方が、貰ってもいないのに逃亡したのです。

乗り逃げならぬ、乗せ逃げです。そんなの聞いたことありません。

普通アンコール観光をする場合は遺跡の前に車やらバイクを停めて
客が観光して出てくるのを待ってるのですが、この運ちゃんは
吹っ掛けてくるわ出てきたらどっか行ってていないわで
最悪でした。他に良い客でも見つけたのでしょう。

そんなわけで、僕はドライバーと車を探しているときにまとわり
ついてきた土産売りに囲まれて、朝9時に
「おぃおぃどーすんのよ。今日1日・・・」

「なんで連日こうもトラブルが続くのだろう・・・」

と思ってたたずんでいたのでした・・・

さて連日とありますが、昨日はこんなこと↓があったのです。

12/30朝

 今日は、アンコール遺跡観光の基点となる街(シェムリアップ)
から40kmほど田舎にいった、バンデイアイスレイという
遺跡に行くことにしました。この遺跡は、綺麗なレリーフで有名で
東洋のモナリザとも称される美しいレリーフがあります。

そんなわけで詳しいことは他のHPなどで調べてもらうとして
この彫刻をみるために40kmも離れたところへ行こうと思った
のでした。

さてさてアンコールの街を出て20分ほどして道は、舗装路から
赤土の凸凹道に変わりました。しかし今は乾季なのでその凹に
水がたまるわけでもないので、そこそこ順調に進めます。

しかし!!この遺跡までの道を整備しようとして道路工事を
しているのが逆にアダとなりました。舗装前に石ころを敷き詰めて
いるのですが、それがまた道全体にどかどかと転がしただけ
なのでボコボコボコボコして車は時速5−10kmくらいでしか
進めませんし、ガツガツ車底はあたるし乗り心地最悪です。

そんな道をドコドコいくと途中からやっと元の赤土に戻りました。
こっちのほうが上下の振幅は激しいのですがかなり楽です。

しかしなかなかの悪路です。途中バイタクではなくてバイクを
レンタルしてきた外人が転んで腕が血にまみれてました・・・

そんな悪路を進んでいくと、バンデイアイスレイはあります。
こんな感じの遺跡です。

バンデイアイスレイ外観

        東洋のモナリザ

        猿のレリーフ

        木目細やかなレリーフ


さてかなりのんびりと時間を過ごし、帰ることにしました。

今日の運ちゃんは、僕等が遺跡から出てくると、スーッと
車を持ってきてくれます。最高です。英語は喋れないので
まともにコミュニケーションとれませんが真面目さは十分
伝わってきます。

さて、遺跡を満喫した帰り道、遺跡から4−5km来た地点
車は突然、止まってしまいました・・・

エンストかなんかだろうと思ったのですが、確かにエンジンは
止っているのでエンストですが、かからなくなってしまいました。

何をしてもかかりません。絵に描いたような田舎道のど真ん中で
昼過ぎの一番暑い時間に立ち往生です・・・

ボンネットを開けて、ラジエーターを冷やしたり、あの手この手を
つくしたのですが全く持って動き出す気配がありません・・・

取り敢えず道の真中にあるのはまずいので、車を押して近くの民家
の敷地にいれることにしました。

父母も交えて必死こいて車をおして民家までいれました。

しかし誰が家族旅行のくせに、こんな絵に描いたようなど田舎で
家族で壊れた車を押すことを想像できたでしょうか?

というわけで民家に入れたところで直るわけもなく、ただただ時間
が過ぎていったのでした・・・

故障中のタクシー


これは電気系統のトラブルで待っていても直らないと判断した我々は
どうにかして他の手段でホテルまで帰ることにしました。

といっても、こんな田舎では電話なんてあるわけもなく
どうしようもないので、あれをしちゃいました。

そうです。ヒッチハイクです・・・
ファイナルアンサーです。

これ以外に街へ戻る手段は僕等には残されていませんでした。
昼前までだったらツアー客が沢山居て、ツアーの車も通っていた
のですが、今は昼過ぎで全く人影が見えません。

てなわけで、ヒッチハイク・・・。

しかし誰が家族旅行のくせに、こんな絵に描いたようなど田舎で
家族でヒッチハイクをすることを想像できたでしょうか?

とりあえず、道に出てみました。しばらくすると運の良いことに
一台の車が通りかかりました。しかも乗用車ではなくて、ピック
アップトラック
です。頑丈そうです。しかも停まってくれました。
家族でシェムリアップまで行く感じでした。
そこで僕等は乗せてもらうことになりました。
両親は車内へ。僕らは荷台へ。

そして僕等を乗せた車は、タクシーと運ちゃんを置き去りにして
発車したのでした。運ちゃんには悪い気がしましたが、僕等が
残っていてもどうなるわけでもないので、失敬しました。

そして車が動きだして5秒。
またもやエンスト・・・

しかし今回は単なるエンストで、無事再発進しました。
荷台の旅は快適でした。前回と違いすいてるし、道も前回よりは
ましでした。

途中の石ころ道もこの車なららくちんでした。
そんなわけで、楽しくヒッチハイクの旅を満喫してホテルに到着
したのでした。

「しかし運が良かったねー。あんなに立派な車が来るんだから。」
「ほんとだねー」
と、車を押す羽目にあったことやヒッチハイクする羽目に
あった運の悪さを鶏の如くサックリ忘れて語り合ったのでした。

12/31朝

 てなわけで、昨日はヒッチハイク。今日はドライバーの逃亡
と連日タクシーに関するトラブルに巻き込まれて僕は
地蔵のようにたたずんでいたのでした・・・