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ベトナム編 ラフプレーには気をつけろ
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はいこんにちはー今回はベトナムです。
ベトナムの中程にフエという古都があります。
フエには親に捨てられて路上で暮らす「ストリートチルドレン」を保護して、
学校に通学させている「子供の家」という施設があります。
僕は旅をしている自分は「なんて幸せ者なんだ!」と思っているので、
この施設でボランティアをさせてもらい、
少しでも日頃の恩返しをしようと思っていました。

自分にできることはサッカーしかありません。
そこで、ホーチミンの市場でサッカーボールを
5個買い込み電車でフエへ出発しました。
5個もボールを持っての移動は予想以上に大変です。
電車の乗り口に引っかかり後ろから来た人にオブストラクション(※)を食らわせ、
ボールを荷物棚に乗せたならば、電車が揺れる度に上から落ちてきて、
フライングボディアタック…こんな状態が28時間も続きました。

当然僕は、車内中に敵を作り、完全アウェイの雰囲気です。
そしてやっとのことでフエに到着。
そこからバイクタクシーに乗って、取りあえず「子供の家」へ向かいました。

道すがら運ちゃんは人と人の間をすり抜けようとするのですが、
僕の持っている大量のボールが彼の予想以上の幅をとり、
あちこちで通行人に激突を繰り返しまくりました。

その爆走っぷりは、まさにダンジリ祭の如し。
やっとのことで「子供の家」に着き、早速ボランティアをさせて頂くことに。
しかし職員の方が「子供達と遊んであげて」と言うので遠慮なく、
持ってきたボールでサッカーをスタート!

5対5のサッカーを始めたのですが、
タッチラインもなければゴールすらない単なるボールの奪い合いをしていました。

しかしこれが面白くて、白熱しまくり。
そんな時、掘っ建て小屋の横へボールが転がり込みました。
皆、必死にボールを追っていきます。


すると誰かが僕を押しました。

僕はちょっとよろめき、掘っ建て小屋に手をかけました。

すると掘っ建て小屋は、なんの抵抗もなく

ガッシャーンと崩壊してしまったのです…

その倒れっぷりは、後半でリードしている時の

ビスマルク(※)のようでした。

周囲一同唖然呆然…。
ボランティアをしにいったのに、なんの手伝いもせず、
挙句の果てに、フーリガンと化して施設を破壊してしまった
ベトナムでの熱きサッカーの思い出でした…


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