地球の裏側でもバカまっしぐら(04/06/06)


はいこんにちはー

僕は近頃タイ、台湾など近場のアジアに手ぶらでいっていました。
(手ぬぐいだけは必携でした)
最初は手ぶらで行くのはネタになりそうだからやってみたのですが
実はすごーくラクでした。2回もぶらり手ぶら旅をすると
次なる旅のスタイルを見つけたいなーと

思ってくるようになりました。手ぶらが楽ならば、今度は

いらないものを持っていこう!

と思いつきました。
なんか楽しそうな予感がします!
そこでいらないものを考えていました。

いらないもの…いらないもの…

「!」

ひらめきました〜!

ふっ風呂桶!!

これは全く要りません!しかも無駄に大きめです!

最初、行き先をペルーに決める前は、この風呂桶に
シャンプー、リンスと石鹸とパスポートを入れて
シンガポールに行こうと思いました。

「セントーサ島」という島があるのです。「銭湯さ島…」。

これは下らな過ぎます…。バカな旅にはぴったりなのですが
シンガポールは2回も行ってるのでもういいかなと思い取りやめ。

ならばニューヨークだ!「入浴…」。
バカバカしくて下らなさ過ぎていいかも!と思ったのですが、
せっかく旅行に行くなら今まで行きたかったところに行こう!
と思い直しました。
そこで行きたいところを思い出してみました!それが地球の裏側、

マチュピチュです! ↓↓↓


南米大陸です。ペルーです。日本から24時間かかります…。
マチュピチュまで辿り着こうと思えば最短でも3日間かかります。

ということで、要らない物をトコトン遠くまで持って行くことに
この上ないバカな魅力を感じ、マチュピチュ行きを決断しました。

さらに、出発日を4月2日に大決定!
サラリーマンなのに年度始めで忙しいことが予想される4月上旬に
9日間の休みという、非常識極まりない時期、期間を設定しました。
そして僕は、持ち物にも出発日にも迷いのかけらを微塵も持たず
意気揚揚と旅立ったのでした!


ちなみに予想される旅の経路は

会社→徒歩5分→新橋駅→電車80分→成田空港
→飛行機12時間→ヒューストン→飛行機7時間→リマ(1泊)
→飛行機1時間→クスコ(1泊)→電車4時間→マチュピチュ

と言うことで遥か彼方のマチュピチュ目指して旅だったのですが
会社から新橋駅までの道のりで、のっけから通行人の視線が
突き刺さります…。
何であの人あんなものを。という冷たくそして鋭い視線が。
春だしねー。頭がちょっと。。。という感じの視線です。
しかしその視線を送る人たちもまさかこれから
このバカがケロリンを持ったまま
地球の裏側まで行く究極のバカだとは思っていないでしょう。


新橋駅ではキオスクのおばちゃんに哀れみの声をかけれられました。
この会話をきっかけに電車が来るまでキオスクのおばちゃんと話を
していたのですが、このおばちゃんの彼氏(?)がケニアにいったまま
帰国予定日を2ヶ月過ぎても連絡がこない。アパートに行っても帰国
した形跡がない。などという相当ヘビーだが普通に過ごしていたら
絶対聞けないようなキオスクのおばちゃんの身の上話も
ケロリンがきっかけとなって聞けることができました。
(別に聞きたかったわけではないですが…)


次の成田空港では全く持ってピーク時期ではないので
荷物検査の係員が暇をしていたのか、X線検査の機械を
通す時に、にやけながら
「ケロリンを通します」
なんて言ってました。なかなかセンスのある職員です。


<風呂セットと見せかけて、旅3点セット>



さて、次の関門はヒューストンの空港です。
一度ここで乗り換えをするのですが、アメリカは乗り換えでも
一度入国しなくてはなりません。アメリカの入国はテロを警戒して
かなーり厳しくなっています。厳重体制です。しかもブッシュの出身地で
空港の名前も ジョージブッシュ空港です・・・。
ギャグが通じる雰囲気ではありません。
そんなところに、ケロリンを片手に登場した存在自体がギャグ野郎
明らかに別室送りな雰囲気が流れています・・・。
そして入国審査官とはこんなやりとりがありました。
入:「アメリカへは何で入国するんだ?」
や:「ペルーへの乗換えで」
入:「ペルーは何日行くのだ?」
や:「約1週間」
入:「その黄色いモノはなんだ?」
や:「日本のお土産だ。現地の友達へ持っていく…」
入:「それがお土産なのか!?」
や:「ほっ本当です・・・」

こんなところで濡れ衣?着せられて捕まっては大変です。
だったら最初からそんな格好をするなよ!ということは
重々承知しつつ相当ビビってまじめに答えたので審査官は
怪訝そうな顔をしながらもなんとか入国スタンプを押してくれました。

相当冷や汗かきました。

このあと、飛行機を何回も乗り継いでマチュピチュに向かうので
何度もこのような審査があることが予想され、そこで
「要らないからこそ持ってきた」なんて理由は全く理解してもらえない
でしょうし、それを突っ込まれたら英語で答える自信は皆無です…

そこでこれからは各空港で職員に突っ込まれないような理由を
つけつつ空港職員&警察の警備の壁を突破しようと思いました。
並んでいるときに色々と考えたのですが何をいっていいか分かりません!
しかし僕の順番はずんずんと迫ってきます。
そしていよいよ次は僕の順番です。
なんか一人、山手線ゲーム状態です。
なんだ?ナンダ?このケロリンはなんと言えばいいんだー!?
アイディアが浮かんでも英語で言えない・・・ どうしたらいいんだー!
と困惑し、全くノーアイディア状態になったとき、僕は説明することを
諦めました・・・。そして僕は、

ケロリンを帽子のようにかぶり
何事もなかったかのように通過することを試みました…。

入国審査で頭に黄色い風呂桶をかぶっている男に
その場は冷ややかな空気につつまれました…。

方々で失笑が聞こえます…。

僕と審査官の間には警備の壁ではなく
大きな大きなバカの壁が感じれられます。

そして、審査官は、質問をする気も失せたのか
侮辱の眼差しと共に入国スタンプをくれました・・・。


こうして無事ペルー入国を果たした後も各空港で
万里の長城なみのバカの壁を築き続けた結果
日本を出発して3日目に僕は、やっと
マチュピチュへケロリンと共に辿り着くことができました。


地球の裏側からわざわざマチュピチュへケロリンを持っていった
バカな人は恐らく僕が世界初なのではないかと思っていたりします。
その分、世界中の観光客から世界初体験のすっごく冷たい視線が
突き刺さりましたが・・・。


<ちなみに一人旅なので三脚持っていって撮影してます>


こうして道中でずーっと冷たい視線を受けながら、
やっと辿り着いた神秘の空中都市マチュピチュで
さらに冷たい視線を受けつつ、持ってきたはいいけど
本当に邪魔で邪魔で捨てたくなっちゃう衝動にかられ
ながら、無力感と感動にひたりつつ
そっとケロリンをかぶっていたのでした。↓↓↓