ほんとにHAPPY? NEW YEAR (02/1/27)


        なにを思ったのか今回はヨーロッパに出かけてしまいました。
しかも冬の…

それにはとても浅い理由がありました。まず旅行の計画を立てたのが
8月のインドネシアから帰国直後。次は中国の雲南省を考えていました。
しかし雲南省行きを予約しておいて満席で取れなかったらヤバイーと思って
時期も考えず、なんとなくスペインも申し込んでしまったのです。

しかし、実際にチケットが先に取れたのはスペイン行きで、それを
キャンセルできなかったのでスペイン行きが不可抗力的に決まったのでした。

しかしスペインは、かなりファンキーでした。
まずスイス航空でチューリッヒ経由でバルセロナについたのが夜11時。
しかし空港の銀行は夜11時で閉まってしまいます…
それだけは調べてあったので、ダッシュで飛行機を降りて、ダッシュで
税関を通り過ぎて銀行へ駆け込みました。一瞬銀行の横の24時間365日
の自動両替機に目が留まりましたが、よく見ると24時間365日のくせに

サービス時間外

と書いてあります…この適当さがほんのりインドを醸し出します。
と思いながら閉まりかけた店を無理やり開けさせて両替しました。
しかし、機内で荷物を預けた人たちは、受け取りの時間があったので
その分時間がかかり銀行に来たときには、閉まっていて、両替できずに
立ち往生していました…恐ろしい…

さて、そんな人たちを横目に空港バスで市内へ向かいました。
街の中心のカタルーニャ広場に着いたのが夜の12時です。
夜の遅い国だけあって街中に人がいっぱい歩いています。
インドについたときは、焚き火、倒れている人、牛の光景でしたので
そこはえらい違いです。さて、この広場の周辺は沢山の安宿があるので
適当に取れるだろうと思っていたのですが、“満室”のラッシュで
結局20軒回ってやっと一軒、水シャワーのドミトリーが取れました。
水シャワー…ドミ…インドっぽい…でも値段はインドの10倍以上…

なにやら変な期待が膨らみます。まさかネタの宝庫じゃ…

なんて思いながらのんびりバルセロナ観光をして数日過ごしました。
さて、時は12月31日です。
昨年はライトアップされたアンコールワットの幻想的な眺めに
酔いしれながらも軽く21時くらいに寝てしまい、年越しの瞬間を
味わっていませんでした。そこで今年は年越しの瞬間を迎えよう
と思っていました。そして初日にバスを降りたカタルーニャ広場
が盛り上がるとの噂を聞きつけました。

そこで、11時半くらいに広場へ向かいました。
するとそこは人人人で人の海でした。
12時に近づいてくると、なんとなく、人々がそわそわしてきます。

そして10分前に騒ぎが始まりました。
ロケット花火が頭のすぐ上をかっとんで行き交っていきます。
爆竹も各所で鳴っているのですが、たまにとても爆竹とは思えない

ドガーン!!

という轟音がして煙があがったりしています…
目の前の池にはガラス瓶が投げ込まれ、割れまくってるしその中に人が
突き落とされたりしてるし、とても新年を祝っている人たちには思えません。

しかもまだ明けてないのにこの盛り上がり…

そして!!ついに時計が12時を指して
2002年になりました!!
すると広場には、教会の鐘の音が鳴り響き渡ります。

ちなみに、スペインでは、新年の時は12回鐘を鳴らしてその鐘の音に
あわせてぶどうを12粒食べれたらその年は1年幸せになれるらしいのです。
僕もちゃんと用意していきました。
僕の想像では、除夜の鐘のようにゴーン…ゴーン…と鳴って
それごとに食べればよいと思ったのですが、実際は
ゴーンゴーンゴーンゴーン超連発で鳴って、とても食べれたもんじゃありません…
この時点(新年明けて10秒くらい)で

僕の“2002年の不幸”が確定してしまいました…

こんなことなら挑戦しなければ良かった。しなければ平穏な年になっただろうに。
しかも、そんなことを考える余裕がないくらい、口の中はリス状態で窒息寸前です。
新年一発目からぶどうで窒息して倒れたらかっこ悪すぎます…

僕は必死に鼻で息をして、ぶどうをなんとか飲み込みました。
そしてちょいと冷静になると、周りは先ほどよりもヤバイ状態になっています。

ワインやシャンパンを瓶で飲んでいた人たちが投げあいをはじめて、道路は
ガラスの破片で埋め尽くされています。
相変わらず、爆竹だから爆弾だかわからないものが鳴り響きまくりです。
やばい度が増しています。道行くクルマは停止させられスピーカー代わりに
されて、その周りで人々が踊り狂っています…

もうなにがなんだか分かりません。そこら中で殴り合いの喧嘩をしています。
スリも目の前でみました。超怖いです。
そんなわけで、超緊張状態で宿に戻りました。
すると同宿の日本人のおじさんが襲われて、顔を蹴られ鼻の骨を折って
血だらけで戻ってきました…

なんだかとってもハッピーな気分のしないニューイヤーでした。
てなわけで緊迫した年越しをすごしたので翌日は初詣にいって
一年の幸せを祈願してこようと思って床についたのでした。
その初詣で大無礼をしてしまうことはこの時は想像もせずに…



続く