7days in TIBET(02/9/8)


      
はいこんにちはー。
今回はチベットに行ってきました。
チベットって平均標高は4000Mくらいあるんです。
その区都ラサの標高は3650mあって人口は20万人くらいいます。
富士山の山頂に街があって、人が暮らしている感じなんです。

さて、今回はお盆休みの1週間利用して飛行機を乗り継いで
チベットのラサに入りました。
そこまでには、

中国南方航空で成田から広州へ

四川航空で広州から成都へ

中国西南航空で成都からラサへ…

と聞いたこともないような飛行機会社を乗り継ぎに
乗り継いで2日間かけてやっとチベットへついたのでした。

ちなみに、成都で一泊したのですが
その時に空港から市内へ向かうクルマが
走行を始めて300mくらいで前のクルマに追突しました!
向こうは止まっていたので100%コッチが悪いのですが
ドライバーはぶつけるなりクルマを降りていって
散々逆切れしまくって、

「いやー大丈夫でしたー」

といって戻ってきました…。
お互いガッツリ凹んでいるのに
ホントに大丈夫なのかと思いながら何やらこの旅では

ネタができそうな予感

を感じ取っていたのでした。

さて二日目に成都からラサへ入りました。
中国西南航空は一応、乗客の名前を書いた
ボーディングパス(搭乗券)を渡すのですが
一人一人の名前をちゃんと印刷しておきながら
なぜか渡す時は適当に渡すので
僕は SHI YONGDA さんの航空券でしたし
目の前の寝癖がんがんついた中国人のおっさんは
KONDO MASAKO と書いたチケットを持っていました…
この名前の印字には一体なんの意味があるんでしょう…
 
なんてことを思っていたらラサへ到着しました。
飛行機で空港へ降り立った瞬間からそこは別世界でした。
空港のすぐ横にドカンと山々が連なり、澄み切った真っ青な空
空気の匂い、風の音、そして照りつける直射日光、薄い空気・・・
五感全てに不思議な感覚を覚える環境でした。


そんな感慨にひたりながら一路市内へ。
今回は中が全てフリーのツアーで参加したので
空港からホテルまでは旅行会社が送ってくれました。
ホテルの部屋は2階でした。
そこで荷物を担いで階段で2階へあがりました。
ちょっとの階段なんですが、酸素が薄いので
心臓がバクバクいっています。
階段を登りきり、部屋へ向かい廊下を歩いていると
後方で現地人の雄叫びが!
驚いて振り向くとそこには

顔面血だらけで倒れている旅の友たぷえもんの姿が!!

なぜ顔面血だらけなのか?気が動転している僕には
わかりませんでしたがヤバイ事態なことだけはわかりました。
急いで駆け寄ると完全に意識を失っています。
持っていた水を軽く口に含ませ、顔を拭ったりしていたら
しばらくして意識を回復しました。
そばにいたチベット人が近くで携帯ボンベ入り酸素を買ってきてくれて
それを吸わせて、呼吸を落ち着かせました・・・
しかし“息苦しい”とかの発言もなく

いきなりの気絶・・・。

そして廊下にヘッドバッドをかまし流血・・・。

こりゃビビリます。

現地人が「高山病だ」と言っていました。
いきなり倒れるなんて、なんて危険なのでしょう
しかし、酸素をしばらく吸わせると落ち着いてきたみたいだったので
そのまま部屋へ運び込み、ベッドへ寝かせておきました。


最初は高山病を甘くみていたので
寝てりゃ翌日治るだろと思っていたのですが
翌日、事態はさらに悪化・・・

昨日倒れたことを知った、現地旅行会社の人が
ホテルまできて、たぷえもんを一目見て
救急車を呼んだのです!!

といったわけでチベットで一番立派な病院へ緊急搬送しました。
そして救急病棟で応急手当がされました。
その内容は酸素をずっと吸いつづけることと
薬や栄養分を注射や点滴などで体内に取り入れることでした。

救急病棟なので色んな人が運ばれてきますが一番多かったのは
なぜか血だらけで運ばれてくる人です・・・。
4時間くらいの間に7〜8人が血だらけで運ばれてきました。

こんな中、数時間酸素を吸いつづけたら
たぷえもんの顔色も良くなり、本人も
「気分がよくなった、全然大丈夫」
というので、医者に帰っていいか聞かずに勝手に病院から
戻ってきちゃいました・・・。

これがさらなる事態の悪化に・・・。

たぷえもんは翌日も体調が回復せず、ベッドに倒れこんだまま。
ということで、今度はタクシーで昨日と同じ病院へ。
そして血液中の酸素濃度を測ると
正常値の半分くらいしかありません。
そして前日と同じ処置(酸素吸引)がほどこされました。
そして6時間後。
すっかり気分が良くなり帰ろうとしたのですが
前日と同じ失敗を繰り返さないためにも
最後に医者に帰宅の許可を得て得てから帰ることにしました。
すると医者が

「では最後に血中酸素濃度を測ろう」

と言いました。

すると計測は驚愕の結果が!!

6時間も酸素を吸いつづけたにも関わらず
運ばれてきたときよりもなぜか

血中酸素濃度が低下しています!!

しかもかなり危険なレベルらしく
医者も慌てて緊急入院の手筈を整えていました。
といった具合で入院することになりました。

たぷえもんを車椅子に乗せ、救急病棟から高山病棟へ搬送することに。
そして病院の廊下を車椅子を押して歩いていると

後ろからなぜか“チリンッ”という音色が・・・。
“チリン?”と思い振り向くと
チャリがシューマッハの如く疾走していきました・・・。
まさにスクールウォーズの世界です。
なんでチャリンコが普通に廊下を走ってるんでしょ。
しかも救急病棟の廊下を…

あのチャリはどこから来てどこへ行くんだー!!

なんて思っていると今度は

明らかに入院中のチベット人が犬を散歩させて歩いてきます・・・。

チャリあり、犬あり でまるで休日の土手状態です。

しまいにはこの不思議な廊下に屋台まで出現・・・。
肉まん や おかゆを売っています・・・。
まるで上野公園です・・・。
しかしココは間違いなくチベットで一番近代的な設備のととのった病院です

と、のっけからチベットの病院の奥深さ(?)に感嘆しきりでした。

しかし!その驚きはたぷえもんが入院した集中治療室に入ってからも
全く留まることなく続きました。

病室に入ると、酸素マスク装着し酸素を吸いながら
心電図を測っている入院患者

携帯電話で話をしているのです・・・。

看護婦は止めるようすもありません。

次に、びびったのは入院していたのは5階立ての病棟の4階
だったのですが、窓の外を眺めていると上からものが
次から次へと降ってくるのです!!

おいおいさっきから何が降ってきてんだよぉ
なんて思っていると部屋に掃除のおばちゃんが入ってきました。

そしてゴミ箱のゴミなどを集めて回っていたのですが
ひとしきり集めた次の瞬間!!

掃除のおばちゃんは集めたゴミを全て窓の外へ投げ捨てたのです!!

なんじゃそりゃー!
せっかく集めておきながら窓の外へぶちまけるなんて
また下で掃除しなくちゃならないじゃないっすか!?
なんて思ったのですが、チベットではこれが普通なようで
なんら動じることなく部屋の片付けを続けていました。

さらには、看護婦とかも
点滴のあまった分をそのまま床にぶちまけてるし
患者も痰を床にはきまくってるし
集中治療室の床はトランス状態です・・・。

さらにトイレは
大便するところにドアがないので
他の人から丸見えだし、

集中治療室のベッドの横まで
物乞いが物貰いにくるし・・・

日本と比べるとおかしなところだらけです。
しかしこれがチベットのスタンダードなんでしょう。
誰も驚いていませんでした・・・。

しかし、そんなファンキーなチベット人を僕は驚かせてしまいました。

それはたぷえもんの血中酸素濃度を測ったあとに起きました。
僕も高地に来てるからさすがに
血中酸素濃度が低くなってるんだろうなー
と思い、医者に頼んで試しに血中酸素濃度を測ってみました。

すると、なぜか

現地人の平均値よりも高い値を叩き出したのです!

これには医者も看護婦も集まってきて
「ウッソ!?」と驚いていました・・・。
現地で生まれ育った人よりも着いて5日目くらいの僕の方が
この4000mの高地に適応しているのです・・・。

そんなわけで、今までの数々のエピソードで
立証してきた胃腸系の強靭さに加えて
心肺系の強さも証明してしまった
7days in TIBETでした。

おしまい。